演者
虐待対応及びその後の支援の在り方の課題
三橋 択実 みつはし たくみ
高知市役所健康福祉部基幹型地域包括支援センター ケアプラン統括担当係長
社会福祉士
1979年生まれ。高知県立大学大学院人間生活学研究科(社会福祉学)博士前期課程修了。
社会福祉協議会で10年半勤務後,平成26年に高知市役所入庁。行政直営の地域包括支援センターの社会福祉士として権利擁護業務等に従事。令和2年から地域包括支援センターの改変に伴い,基幹型地域包括支援センターの係長として市内の各地域包括支援センターが受理した高齢者虐待通報等の判断や対応方針検討に関わる。現在は同課で主に介護予防ケアマネジメントを担当している。
社会活動として,一般社団法人高知県社会福祉士会理事(事務局長),居住支援法人利用審査委員,町内会長等を務める。
虐待対応を行う上での対応困難な事例

野村 まなみ のむら まなみ
社会福祉士・精神保健福祉士・介護支援専門員。
高知県黒潮町出身。2009年に大阪市社会福祉協議会に入職し、大阪市ボランティア情報センター勤務後、阿倍野区社会福祉協議会で、企業やNPO・ボランティア団体と地域福祉活動とのマッチングなどに携わる。2015年に黒潮町に帰郷。2016年に黒潮町役場に入職し、地域包括支援センターで権利擁護業務を担当する。高齢者虐待ケースに対応するなかで、養護者支援の困難さを痛感し、2019年より、虐待に発展するリスクが高いケースの早期発見・早期対応を行う「高齢者虐待ハイリスクケース対応」を始める。また、2020年より「黒潮町緊急事務管理の実施に関する要綱(民法698条)」を定め、経済的虐待の防止や、身寄りのない認知症高齢者等の緊急一時的な財産保護に取り組んでいる。
高齢者施設での倫理的ジレンマ

永野 美佳 ながの みか
介護老人保健施設レイクビューさめうら
平成6年3月、高知福祉専門学校 介護福祉学科を卒業後、介護福祉士として、特別養護老人ホームにて勤務。介護リーダーとして、現場スタッフの指導・育成に携わってきた。平成29年、認知症介護研究・ 研修仙台センターにて、認知症介護指導者研修を受講。修了後は、指導者として、認知症介護に関する研修等で活動している。
現在は、医療法人十全会にある介護老人保健施設レイクビューさめうらにて、支援相談員として従事している。入所者やその家族の相談窓口の役割を担い、入所者の生活を支援させていただいている。また、総介護リーダーとして法人内の介護スタッフの研修担当・介護リーダーの育成に携わり、法人全体のスキルアップに取り組んでいる。
訪問介護場面における課題

辻 真美 つじ まみ
高知県立大学社会福祉学部社会福祉学科 講師
大学在学中に、在宅介護の重要性を認識し、卒業後は、社会福祉協議会にて常勤ホームヘルパーとして6年間勤務。3年間の実務経験を経て介護福祉士資格を取得。
実習生の現場指導を通して教育の重要性に気づき、介護福祉士養成課程の専任教員として、現場の指導者の皆さまや同僚教員とともに、在宅介護実習の充実化をはじめとした教育活動に力を注いでまいりました。
平成31年度より、現職に着任し、現在も訪問介護事業所の登録ヘルパーとして、週末や祭日を中心に現場で活動を継続しています。また、高知県ホームヘルパー連絡協議会の副会長及び高知県介護福祉士会倫理委員会委員を務めております。 研究テーマは「ヘルパーの労働特性や専門性」。現場での実践を通して得られる生きた学びを大切にし、そこから見えてくる課題を研究に活かすことで、教育の質の向上と介護現場への貢献を目指しています。
助言者

滝沢 香 たきざわ かおり
法制度推進委員会委員長、東京法律事務所 弁護士
日本高齢者虐待防止学会理事・法制度推進委員会委員長。1988年弁護士登録。日本弁護士連合会高齢者・障害者権利支援センター委員、2021~2023年度同センター長。東京弁護士会高齢者・障害者の権利に関する委員会委員。日本弁護士連合会貧困問題対策本部副本部長。高齢者虐待防止法施行後、医療経済研究機構、認知症介護研究・研修仙台センター、日本社会福祉士会、東京都福祉保健局高齢者虐待事例分析検討委員会等の調査研究、2022年度「市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について(高齢者虐待対応マニュアル)改訂調査研究」、2023年度「介護施設・事業所等における身体拘束廃止・防止の取組推進に向けた調査研究」、2024年度「高齢者虐待の実態把握等のための調査研究事業(高齢者虐待対応マニュアル)改訂調査研究」に各委員として関与。「セルフ・ネグレクトの人への支援 ゴミ屋敷・サービス拒否・孤立事例への対応と予防」(岸恵美子教授編)、「高齢者虐待防止法活用ハンドブック」(日本弁護士連合会編)執筆担当。現在、西東京市高齢者虐待防止連絡会委員。

乙幡 美佐江 おっぱた みさえ
一般社団法人日本高齢者虐待防止学会 代議員
公益財団法人東京都福祉保健財団 人材養成部権利擁護支援室
東京都高齢者・障害者権利擁護支援センター 専門相談員(社会福祉士)
元厚生労働省老健局高齢者支援課 高齢者虐待防止対策専門官
学歴:ルーテル学院大学大学院総合人間学研究科社会福祉学専攻博士後期課程修了。
社会福祉学博士。一般社団法人日本社会福祉学会関東部会2014年度奨励賞受賞。
主な著書:「ソーシャルワーク実践による高齢者虐待予防」民事法研究会,2019.3、
「高齢者虐待防止施策に関する最近の動向」『認知症ケア事例ジャーナル』
vol15,2023,p236-242他。

池田 直樹 いけだ なおき
一般社団法人日本高齢者虐待防止学会 理事長
1976年京都大学法学部卒。86年大阪弁護士会に登録。95年サンフランシスコで権利擁護活動を視察し、97年「大阪アドボカシー法律事務所」を設立し、その後「上本町総合法律事務所」に変更。ライフワークは高齢者や障害者の人権問題。日弁連高齢者障害者の権利に関する委員会副委員長、2004年大阪弁護士会人権擁護委員会委員長、大阪府社会福祉協議会運営適正化委員会委員などを務め、現在日弁連障害のある人の差別禁止に関する調査研究委員会副委員長、大阪市社会福祉研修・情報センター運営委員会委員。オーストラリアの高齢者入所施設、シカゴの障害者権利擁護センターの視察、オランダでの知的障害者の世界大会に参加、イギリスの障害者権利擁護委員会を視察、ドイツでの障がい者権利擁護見本市の視察、バンコック(タイ)でのアジアの障害者権利擁護の報告会に参加。障害者差別禁止法関係のコラム「丸い地球の街角で」を毎日新聞に連載。07年「共著・高齢者虐待対応の法律と実務(学陽書房)」09年「共著・ケーススタディ・障がいと人権(生活書院)」、23年「共著・外国籍だと調停委員になれないの?(生活書院)」