コロナ禍が変える大会、研修会、そして高齢者虐待予防の方法論

日本高齢者虐待防止学会 梅田大会 大会長 濵田 和則

 日本高齢者虐待防止学会 梅田大会は同実行委員会や理事会にて慎重審議の結果、既報の通り新型コロナウイルス感染防止のため今年度の開催は見合わせ、次年度に開催する方向となりました。開催準備にあたりましては会場をお借りする予定でした宝塚大学関係各位、また、実行委員会に参加いただいていた池田理事長はじめ実行委員の皆様、快く出講承諾していただきました演者の皆様に感謝申し上げます。引き続きご支援ご協力、よろしくお願い申し上げます。

 ご承知の通り感染予防の観点等から4月以降、集合型のほとんどの大会や研修会等が中止または延期され、大学等でもオンライン授業となっています。小中学校、その他参加者が事前に特定されている研修会等では距離をとる、換気を十分行うなどの対策のもと一部で再開されていますが、学習効果を高めるグループディスカッション等は行いずらい状況が続いています。当然、高齢者虐待防止のための研修会や勉強会も同じ状況が続いており、いかに人に感染することを防止するか、そのために自分が感染しないようにどういう行動をとるかが日常生活の最優先事項となり、その効果的な方法としてステイホームすることが重用されて早や、半年近くが過ぎようとしております。

 私は最も感染防止を図らないといけない介護現場で働いていますが、高齢者虐待防止のための研修はもちろんのこと、毎週2回行われてきたNALC(ニッポンアクティブライフクラブ)さんによる喫茶、チェリー(民生委員さんの復興喫茶が原点)さんによる喫茶やイベント、オンブズマン・介護相談員による訪問だけでなく、ご家族の対面による面会さえ、再開の見通しなく中止せざるを得ない状況になってしまっています。つまり研修等による啓発や外部からの見守りが遮断された状態に陥ってしまっており、高齢者虐待やその兆候となるリスクが増大していないか、コロナ禍の状況でも実施可能な予防するための何か手法はないか思いを巡らせております。

 在宅の介護殺人が増加しているのではとの報告[i]もあり、次年度は参会できない場合はオンラインででも開催すべし、との強力なご意見を理事会でも頂戴いたしましたので、次年度へ向けて、年末から実行委員会を再開して企画検討いたしたいと思います。大会開催まで、しばらくお待ちください。


yahooニュース2020年7月30日配信「15件中9件が女性…コロナ禍で妻による“介護殺人”が増加」、女性自身」2020年8月11日掲載、2020年8月16日閲覧、

みんなの介護学「第868回 「介護疲れ」が殺人事件に発展!在宅介護を行なう人の増加が影響!?介護者の疲弊防止が急務」2020年5月11日掲載、2020年8月16日閲覧、